2019.09.18 Wednesday
垢石釣り随筆を読む
中2の時に買ったつり人ノベルズの『垢石釣り随筆』
佐藤垢石が書いたエッセイ集で、当時はなんとなく情景は思い描けるものの
魚も土地も、私が住んでいる福岡とは全然違ったため遠い話でしかなかった。
しかし、改めて読んでみると、なんと、垢石翁が最初にアユの友釣りを行ったのは
先日行った小田原の酒匂川であったことが分かった!
垢石翁は、20歳の頃、夏の2年間を松林のこんもりした小田原の酒匂村で過ごしたとある。
そして、東海道の木橋の上手にある沈床から眺めるとアユが居たので、小田原市内の「猫」という釣道具屋で
釣り具を買い(毛鉤釣り用)、アユを釣っていたが、職漁師が友釣りをするのをみて自分でもやってみて釣れたとある。
つまり、先日私が釣りをした場所は、100年近く前に、あの垢石翁が釣りをし、足柄村や酒匂川、早川など、先日車で走った場所の風景を見ていたという事になる。釣りとは、釣糸を通して生態系の一部に介入する事ができるだけでなく、釣糸を通して文学や歴史の一部にも介入する事ができるすばらしい事であるとつくづく思った。
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