アユに関する2冊の本
鮎という魚は、私にとって身近な魚ではなかった。
近くの川で釣れるのはオイカワとか鮒程度で、ヤマメやアユといった渓流・清流魚は憧れの魚であった。
しかし、縁というものはどこでどう繋がるのか分からない。
私がアユ釣りを始めるきっかけとなったのは2冊の本であった。
1冊は、中3の時に美術の授業で何故か私の手元に来た雑誌。
『シンラ1997年2月号 特集 釣りがわかる100冊の本』というタイトルの本であった。
その中に、夢枕獏さんの『鮎師』が掲載されていた。
当時、内容はよくわからなかったが、なぜか気になり書店で探すも絶版で、ブックオフで見つけたのが大学1年の頃。
読んでみると、毛鉤を使ったチンチン釣りという釣り方でアユを釣る様子がワクワクする描写で描かれていた。
以来、アユ釣りが、やりたくてもやれない釣りとしてずーっと頭の中にあった。
2冊目は、大学4年の頃に出会った西野章宏さんの『川釣りの極意』である。
この本には、アユの餌釣りのことが書かれており、アユは意外と近くの小川に居るという事が書いてあった。
家の近くで海へ直接注いでいる川をリサーチし、ついに探しだしたのが、このブログで度々登場する例のあの川である。
この二つの本により、アユは私にとって身近な魚となり、以来ずっと憑かれてしまっている。
そんな中、毛鉤でなくバケという独自の疑似鉤でアユを、しかも瀬にいる友釣りで釣れるようなアユを釣るという
埼玉の藤本さんにどうにかして連絡したのが2010年頃、手紙や電話で鉤の巻き方や釣り方を教わったり、ついに、2017年の夏に埼玉のお宅へ訪問して鮎毛鉤の巻き方を教わったり、小田原まで行って酒匂川で釣りをする事までやってしまった。
そして、今年はついに『鮎師』の舞台である箱根芦ノ湖を水源とする早川で竿を出してしまった。
アユを知ってしまって15年ほど、アユが私の人生にこれほど影響を与えるとは全く想像もできなかった。
- コメント
- コメントする
- この記事のトラックバックURL
- トラックバック